『スコットランドのバリウム危機』というBBCのドキュメンタリーを見たんですが、これが衝撃的だったので内容をシェアしたいと思います。
(この記事の画像は、すべて「https://www.youtube.com/watch?v=17TbF6n4jI0」からの引用になります)
「バリウム」とはジアゼパムの欧米での呼び方です。ジアゼパムとは、ベンゾ系の抗不安薬の中でも多くの人に処方されている薬・・・いや”クスリ”ですね。
ぼくも飲んで大変なことになったのでわかりますが、とんでもないクスリです(今は断薬してヒーラーとして活動しています)。
ベンゾの中ではマイルドだと言われるジアゼパムですが、それは他のベンゾ・・・たとえばメイラックス、サイレース、リボトリール、デパス・・・ここら辺のベンゾがとんでもない劇薬だから、それと比べれば、という話です。
実際は、副作用で数えきれないくらいの不調が身体を襲います。
(警告:この記事には、クスリ、およびそれを服用している人の画像が含まれます)
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ドキュメンタリーは、ある中毒者が多量のジアゼパムを一気飲みするところから始まります。
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このクスリで大変なことになった自分からすると、「ひぇっ!」となる衝撃映像です。
ぼくの場合、爪の先くらいの量を最後断薬するのに超~~~~~苦労しましたからね。粒子一粒くらいで”飛ぶ”ようなクスリです。
スコットランド(イギリス北部の国)には、数千人以上のジアゼパム中毒者がいるらしいです。
それについては日本と同じなのですが、ひとつ違うところは、スコットランドでは、処方されるのではなく、路上でヤクの売人がジアゼパムを売っているそうなのです。
これがスコットランドでいま大問題になっていて、政府が対策に追われているとのこと。
海外の薬物情報はよく調べていますが、こんなことになっているとは知りませんでしたね。
ちなみにこのドキュメンタリーは2016年公開のものです。
「さすがにいま(2021年現在)はマシになってるのかな・・・?」
と思って調べてみましたが、状況は良くなるどころか悪化しているようです。
グラスゴー(スコットランドの都市)の2018年のオーバードーズによる死者は、2017年から43%増加したという政府の公式発表が見つかりました。
(ソース:https://www.glasgow.gov.uk/index.aspx?articleid=23805)
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警察にも対策本部が設置されています。
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画像を見ると、錠剤が青いのがわかると思います。
これがスコットランドの路上で取引されているジアゼパムで、その色から通称「ブルー」と呼ばれるそうです。
担当警察のインタビューによると、ストリートバリウムはフェイク品(偽物)が多く・・・「ジアゼパムっぽいもの」が多いらしいのですが、ほとんどが本来のジアゼパムより危険なものらしいのです。
スコットランドでドラッグ問題に対処している団体“SDF”のページにこのような文章がありました。
(引用元:http://www.sdf.org.uk/warning-issued-over-street-valium-in-glasgow-as-deaths-increase/)
“People might think they are taking diazepam but it may be other much more potent benzodiazepines, such as Etizolam.”
買い手は、売られているものがジアゼパムだと思っているが、それはジアゼパムよりも、もっともっと危険なベンゾ・・・たとえばエチゾラムなどの可能性がある。
エチゾラムとはいわゆるデパスのことです。
「なるほどねぇ~」と思ったあと、
「いやいや、っていうかジアゼパムよりも超強力なデパスがガンガン処方されてる日本って!」
とツッコミましたよ。
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さて、ドキュメンタリーの主人公ともいえるのがストリートバリウム中毒者のレヴィです。
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目がうつろで顔もやつれています。29歳だとは思えない見た目です。
ジアゼパムをポリポリと何錠か”食べた”あと、「ハイ」になりますが、その状態もすぐに終わり・・・
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強烈な吐き気、そして立っていられなくなります。
吐き気、立っていられない・・・まさにぼくが体験した離脱症状と同じですね。このつらさわかるぞレヴィ。
レヴィは、多い時は1日230錠のジアゼパムを飲むそうです。
正直、生きてるのが不思議なレベルですが、薬物耐性が強いのでしょうね。。
生死の話で言うと、ドキュメンタリーの中で専門家も述べていますが、ジアゼパムと他の薬物を併用・・・つまり多剤摂取ですね、これをすると死んでしまう人が多いようです。
ジアゼパム以外だと、スコットランドで問題になっているのはメサドンやプレガバリンといった鎮静剤です。
通常、末期がんなど、終末医療での鎮痛剤に使用される薬です。
どうしようもない苦痛を和らげるためのモルヒネみたいな使い方をする薬ですが、これらもスコットランドではストリートドラッグとして悪名高いようです。
ちなみに、日本でもこれらの鎮痛剤は腰痛程度でも処方されることがあるので注意が必要です。
プレガバリンは「リリカ」という商品名で、ファイザーという製薬会社が作っています。
ファイザーと言えばワクチンの製造で・・・あ、危ない危ない、自分ももう少し長生きしたいのでこの話はやめておきますw
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このドキュメンタリーを見てぼくがいちばん強く思ったことは、
「日本は決して同じ道をたどってはいけない!!!」
ということでしたね。
イギリスでは、80年代にベンゾの依存中毒が社会的に大問題とされ、被害者による集団訴訟などもあり、現在ではベンゾ処方に対して厳しい制限があります。
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上のグラフは、人口1000人あたりのベンゾ消費量ですが、イギリスは最も少ないです。
これは素晴らしいことですが、結局はストリートで売られて中毒者が増えているのです。
さらに、イギリスでは現在、ベンゾは減ったのですが、抗うつ剤の処方が爆発的に増え、大問題になってニュースにもなっています。
↑の図の右から2番目のオーストラリアも、ベンゾは少ないですが、抗うつ剤処方がめちゃくちゃ増えています。
現在、日本では精神科はやりたい放題で、ベンゾがバンバン処方されています。
イギリスと比べるとそういう意味では40年以上遅れているのですが(この国マジでオワってますね)・・・最近はベンゾの危険性も少しずつ認知されてきました。
おそらく、あと10年で日本もかなり状況が変わるでしょう。
しかし・・・ベンゾがなくなりました、でもストリートドラッグだ抗うつ剤だ・・・となったら、また数十年単位での社会活動が必要になります。
精神薬は根絶しないと永久にいたちごっこです。
スコットランドに対しては国際的な支援が必要だと思いますが、それと同時に、各国はこの状況を教訓にすべきだとも思います。
「スコットランド大変なんだね」で終わらせてはいけないと思います。同じ状況が、日本でもすぐそこに迫っていると思いますね。